建築物等の解体工事を行う場合には工事を行う土地について、必要に応じて土壌汚染の調査・対策が必要です。
建築物の解体工事は、建築物の大きさや立地によって費用が変わりますが、それだけではなく、その土壌の状態によっても費用が変わります。また、解体後の土地を売買する場合、土壌汚染物質の有無についての調査によって、相互の利益を守ることができます。
土壌汚染とは
土壌中に重金属、有機溶剤、農薬などの有害物質が浸透して汚染された状態をいいます。
その要因は、有害物質使用の際に排水に漏れて土壌へと流れた場合や、有害物質を含む廃棄物が土の中に埋められてまわりの土に溶けだした場合などが考えられます。
土壌汚染により有害物質が溶け出した地下水などから、人体への健康被害のおそれがあるため、土壌汚染対策の必要性が高まり、平成14年に土壌汚染対策法が制定されました。
詳細については、各都道府県において条例が定められています。
大阪府の土壌汚染対策制度
土壌汚染対策法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例では、土壌汚染による人の健康被害を防止するために、土壌汚染の調査や対策について定めています。
対象物質は、重金属類、揮発性有機化合物、PCB、農薬などの25種類の有害物質、及びダイオキシン類です。
土壌汚染対策が必要な場合
■有害物質使用特定施設等の使用が廃止された工場等の敷地である土地
①有害物質使用特定施設等を廃止したとき
②有害物質使用特定施設等の廃止に係る調査が猶予されている工場等の敷地において900㎡以上の土地の形質の変更をしようとするとき
■有害物質使用特定施設等が稼働中の工場等の敷地である土地
①有害物質使用特定施設等が稼働中の工場等の敷地において 900m2 以上の土地の形質の変更をしようとするとき
②有害物質使用特定施設等が稼働中の工場等の敷地において、同一の工場等以外の用途で利用するために土地の形質の変更をしようとするとき
■3,000㎡以上の土地の形質の変更を行うとき
■土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがあるとき
くわしくはこちらをごらんください。「大阪府の土壌汚染対策制度」
土壌汚染調査流れ
地歴調査
登記簿、地図、各種資料、聞き取りなどから土地利用の変遷を調査する。
表層度調査
表層部のサンプリングにより、法令に準拠した方法で現地調査を行う。
詳細調査
表層部で土壌汚染が確認された部分について深度調査を行う。
土壌汚染対策の決定
調査対象地に応じた土壌対策を検討して実施する。
土壌汚染対策工事の流れ
対策工事内容の決定
土壌汚染調査から対策範囲、工期行程等の計画と工事費用を決定。
計画の届出・近隣への周知
各都道府県の条例に応じて必要な届出を行い、工事中の安全確保のため近隣への周知を済ませる。
土壌汚染物質の除去
土壌汚染調査によって決定した土壌工法で汚染物質の除去を行う。
重機や搬出用トラックの通路を確保、搬出する土壌を所定の廃棄処理場へ運び、土壌汚染物質を除いたあとに土を搬入する。
完了検査
土壌汚染物質が除去された確認を行い、実施状況を報告する。